中央アルプス

2日目|宝剣岳→バリエーションルート→檜尾岳(檜尾小屋)へ

寒くて寝られず…ガタガタ震えながら迎えた2日目の朝

夜中、寒くて何度か目を覚ました。10度は下回っていなかったが、ダウンにくるまって寝てもそれでもダメだった。体をまるくして自分の吐く息でなんとかシュラフ内を温める。途中でペットボトルにお湯を入れて湯たんぽにしてみても、すぐに冷めてしまった。

 

寝ぼけながら頭によぎったのは明日のテント泊のことだった。「もう明日このまま下山してやる」と拗ねながら寝た。

 

8月のアルプスをすこしなめていた。ダウンは、ユニクロウルトラライトダウンの、ベストとジャケットの2枚重ねに、寝袋はモンベルのダウンハガー#3。

去年のアルプスでのテント泊では、このくらいの装備でいけた…はず。もう少し質のいいアウトドアのダウンか、フリースをもってきても良かったな~と、学び。そして7時頃、少し気がめいったまま、いそいそとテントから出た。

テントから出ると、この快晴!昨日の寒すぎて辛かった記憶が吹き飛ぶくらいの気持ちよさではある。

 

半分ほどのハイカーはすでに出発しており、わたしも出発に向けてボチボチと準備をすることに。お手洗いで会ったおねえさんが「気持ちのいい朝ですね~今日も楽しみましょうね!」かけてくれた一言で、今日のやる気がグンとみなぎってきた。寒さにやられてる場合ではない。

ということで、一瞬「下山」といういう言葉が脳裏をよぎった昨晩だったが、今日はより気温も上がるという予報だ。朝ごはんも食べたし、今日もがんばってテン場まで行くぞ。ということで2日目は7:40分出発。

8:00 木曽駒ケ岳の頂上へ

頂上山荘から木曾駒ケ岳の山頂は15分ほどで到着できる。ザックは山荘にデポさせてもらったのでとにかく身軽だ。朝イチのトレッキングはとても気持ちがいい。

去年登った御岳山や富士山が眺められて、感慨深い気持ちになった。

最高の天気で頂上にたどり着くことができた。

宝剣岳を目指す

さて、昨日通ってきた道を戻り、宝剣山荘に着いたのが8:40分。今日目指すのは↓

  1. 宝剣岳登頂
  2. バリエーションルートを通って南へ下り檜尾岳を目指す
  3. 檜尾小屋のテント場で宿泊

木曽駒ケ岳 檜尾岳 宝剣岳 空木岳 地図

結局、昨日テン場で会えなかったKENさんとも宝剣山荘で再会でき、それぞれの安全を祈ってお別れを。

ヘルメットを装着し、宝剣岳を目指す。

9:00 宝剣岳登頂

けっこうな角度でそびえ立っている岩場を慎重に登り、宝剣岳を登頂。かかった時間は30分ほど。怖さは思っていたよりも感じなかったが、前の人と間隔をあけながら集中して登った。

 

頂上からは、遠くにロープウェイのかわいい赤い屋根が見えた。昨日はあそこにいたんやな~と思うとなかなかの達成感だ。

さて、ここから南の方を目指すが、どんどんと複雑な岩場となっていく。ここで話しかけてくれた若い男の子2人が今日同じテン場ということで、勝手に安心感。せまい岩場、2人の後ろをついて行かせてもらう。

 

危険個所では人が前後にいるだけでちょっとホッとする。わたしのような心細いソロハイカーにとってはすれ違うハイカーの声かけにも助けられる。

途中ひらけた場所にでるたび、三食団子を数回にわけて食べた。山での三食団子は最近のマイブームだ。

 

そうこうしていると極楽平に到着。

この場所を左にいくと、ロープウェイに戻ることができる。わたしは今日目指す檜尾の方面へまっすぐに進んだ。ここからまた登りがまっている。

10:26 島田娘
11:28 濁沢大峰(にごりさわおおみね)通過。

 

このあたりの稜線歩きがすごく気持ちよかった。

さてここからまた怒涛の岩場が待っている。ラストスパート!

檜尾小屋が見えてきた

ラストスパートの岩場、そして激しい急登をこえるとようやく見えてきた、檜尾小屋。遠くにみえていた小屋がだんだん近くになり、カラフルなテントもみえてくると心がはずんできた。

すでに数人のハイカーたちが到着し、のんびり設営していた。テン場は小屋よりも手前にあるが、チェックインをするにはまだ少し先にある小屋へいく必要がある。(ちなみにテン場は予約が必須だ)

13:14 檜尾岳・檜尾小屋に到着

テン場をぬけ10分ほど進み、ようやく小屋へ到着!今日は約6時間弱の行程だった。あ~喉が渇いた。冷たいジュースが飲みたい!

小屋を覗くと、温もりのあるお部屋と、温かい店主が。

テントの受付をするとともに、いくつか冷えたカルピスやお水を買わせてもらった。(1本600円) 店主の方がすごくやさしく接してくれて、おかげさまでもうこの日の幸福度はMAXだ。

 

「この先8分くらいいくと水場もあるよ~」と教えてもらい、夜ごはん用に水も汲んでおくことにした。

テン場でのんびり過ごす至福の時間

檜尾岳のテント場は予約が必要で、場所も決められている。地面や区画がきれいに整備されており、決められたスペースに設営をする。わたしがこの日与えられた区画はラッキーなことに景色がこんなにもひらけている特等席だった。

 

お昼すぎに到着できたので、山を眺めながらのんびり過ごす。そうそう。これがしたかった。山でのテント泊の経験はまだ浅いが、今までのテン場は森林に囲まれていたりで景色はそこまで望めなかったので、今回のようなテント泊に憧れていた。ようやく叶った~!

テントをあけるとこの眺め。扉を開放して昼寝をしまくった。なんという贅沢。そんな感じでのんび~りしているとあっという間に夕方に。なにもしてなくても時間は過ぎる。あっという間にすぎる。

ライチョウの親子がテン場を訪問

夕食の準備をしていると、ひとりのハイカーが「ライチョウがいるよ~」と教えてくれた。その声で、テン場にいたハイカーたちがソワソワ。みんなでライチョウを出迎えた。わたしはこの旅ではじめてライチョウに出会うことができた。初めてみたライチョウは人懐っこくてなんかピースフルな鳥だった。

 

「ポーポー」という声も可愛すぎる。親子でお散歩してるのかな~🐓

 

そんなこんなで過ごしているとあたりは夕焼けに。2日連続でこんな素晴らしい景色がみれて、ほんとに嬉しかった。胸いーっぱい満たされる感じがした。

 

急におもいたった今回の旅だったが、ちゃんとこの場にたどり着けたのも嬉しかった。登山を通じて、自分を肯定できる気がする。

夕飯をたべて、この日は就寝することに。




と思っていたが、やっぱり寒い

前日より気温はあがっているはずだが、やっぱり寒くて…

実はお昼に小屋で「シュラフのレンタルあります(2000円)」という文字を目にしていた。「どうしても寒かったら借りよう」と思っていたので、ちょっと恥ずかしながら小屋にお願いしにいくことに…。

 

するとさっきの店主が「いいよいいよこれ持っていきー!」と、大きくて分厚くていかにも暖かそうなシュラフを貸してくれた。

 

その中に自分のシュラフを入れ込み、ミノムシ状態を2枚重ねでやってみた。いうまでもなく、これはすごい。暖かいを通りこして暑いくらいだ。

 

ということで、朝まで一度も起きることなくぐーっすりと寝ることができた。まわりのハイカーに申し訳なくなるくらいの熟睡っぷりだった。

 

シュラフに感謝。出会いに感謝だ。

 

ということで、2日目も無事に終えた。明日は最終日!下山をして温泉に入るぞ。の巻。

 

 

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