初の武奈ヶ岳、テント泊登山へ
パートナーと、初のテント泊登山をしよう!ということで、候補にあがったのは武奈ヶ岳。滋賀・京都にまたがる「比良山系」のうちの、最高峰の山だ。
車を持っていないわたしたちにとって、電車とバスで「簡単に」登山口までいける山は限られてくる。その上、テント泊がしやすい山、となればなおさらだ。
今回は、奈良市から2時間ほどでアクセスできる「武奈ヶ岳」に決めた。事前準備でテン場「八雲ヶ原」の写真をみて、すごく興奮した。こんな素敵な原っぱで、夜空の下、二人でテント泊できるなんて…!朝はモーニングコーヒーに……と、妄想が膨らむ膨らむ!
比良山系の主な山をまずはリサーチ!
- 武奈ヶ岳(ぶながたけ):標高1,214mで比良山系の最高峰。今回めざした山頂です。
- 打見山(うちみやま):標高1,104m。びわ湖バレイロープウェイの終着地点。周りにびわ湖テラスなどの素敵なカフェでは登山客以外の観光客でも賑わう。
- 蓬莱山(ほうらいさん):標高1,174m。びわ湖バレイがあり、観光やウィンタースポーツが盛ん。
(びわ湖テラス公式HP引用)
- 御殿山(ごてんやま):標高1,109m。武奈ヶ岳へのアクセスルートとしても知られている。
- 比良岳(ひらだけ):標高1,054m。
- 烏谷山(うたにやま):標高1,038m。
- 権現山(ごんげんやま):標高991m。
- 堂満岳(どうまんだけ):標高1,057m。岩場が多く、クライミング要素も楽しめる山と言われている。
- 釈迦岳(しゃかだけ):標高1,060m。
- 地蔵山(じぞうやま):標高994m。
- 三角点峰(さんかくてんみね):標高907mで、稜線の展望スポットとして人気。
比良山系は、これらの山をひとつづつ登るのもよしだし、1日でいくつか縦走することもできる。さらにテン場がいくつかあるから、数日かけての縦走もできる!カスタマイズし放題の、関西ではとっても人気の連峰です♪
今回の山行計画…をたてていないのが一つ目のミス
さて、今回のプラン。結論からいうと、予定通りには全く進まず、いきあたりばったりで結果”ギリ”オーライの、ちょっと苦い行程となった。
そもそも予定という予定を組んでいなかったから、「予定通りになる」わけもなかった。わたしたちは今回…完全にこの登山をなめていたのだ。浮かれすぎてたのかな。
- 電車とバスでこんなに簡単にアクセスできる♪
- テント泊やし、日帰りじゃないからそんなに急がんでもいいやん♪
- 琵琶湖バレーも楽しそう♪
ということで、荷物だけしっかりつめて、とりあえず行ってみよ~♪そんなテンションで家を出発したのだった。
1日目 電車に乗ってから気づく、大きな勘違い
もともとのプランというのは、「西側の坊村バス停の登山口から入り、八雲ヶ原でテント泊。次の日は蓬莱山までいけたらいくし、いけなかったら途中どこかから下山して電車で帰る。」というざっくりしたものだった。坊村バス停までは、奈良から滋賀の堅田駅駅まで電車でいき、そこから路線バスに乗り換える、というものだった。
ところが電車で滋賀へ向かっている最中、重大なことに気づいた。それは、坊村バス停いきが、1日1本しかないこと。しかもそれ、もう出発してもーてる!
そんなことあるーーーー!?1日1本なんて…聞いてないよー😿もちろん調べていなかったわたしたちのミスやけどー😿
だがわたしたちの切り替えも超絶はやかった。それなら仕方がない。プランしていたコースの逆向きで、決行しよう!さらにそうなれば、琵琶湖バレーのロープウェイで上まで登れちゃうから、そうしちゃう!?と、ワクワクがむしろ加速した。
途中京都駅での乗り換えタイミングでモーニングタイムも挟んじゃえ!と、呑気にミスドにまで立ち寄る始末。がっつりドーナツとコーヒーを堪能し、時刻は11時。
これはもう登山する人のタイムスケジュールじゃないよな~なんて。そんなことを考えながら、滋賀へ向かった。
志賀駅からびわ湖バレイへ
志賀駅を降りたら、びわ湖バレイのロープウェイ乗り場まではバスが出ている。(→時刻表) 駅から歩くと50分ほどかかるということで、わたしたちはタイミングよく来てくれたバスに乗り込んだ。
バスに乗ったら10分でびわ湖バレイのロープウェイ入口に。
ロープウェイに乗ってしまえば、びわ湖バレイ(打見山の山頂)まではたった5分でたどり着く。冬になるとスキー場になるこの場所、秋の風景もとーっても綺麗。
登山者・観光客もたくさん賑わっていた。絶好の天気もあいまって、スタート地点からなかなかスタートできないわたしたち。写真を撮ったり、ランチを食べたり。
13時をまわってようやく出発。
このままいったら出発前に昼寝をかましてしまいそうだったので、おしりを叩いてさぁ出発!まず待ち構えていたのが、急な下り坂。写真ではわかりにくいが、スキー場エリアなので傾斜がすごい。
ぐんぐん下って木戸峠を目指します。
出発から20分後 13:35木戸峠へ到着。
紅葉が綺麗で写真がとまらず本当に亀ののろさ。それがやばいことに二人してまだ気が付かず…
次の葛川越に着いたのは、なんと15:00。標準コースタイムの倍以上だ。
島谷山→荒川峠を目指して進む
15時をまわっているというのに、わたしたちは時間を気にせず休憩もたくさんとった。彼は地図アプリのダウンロードさえしておらず、計画はすべてわたしにかかっていた。そんなわたしもわたしで浮かれていて、焦ることもなかった。
またゆっくりザックを背負って歩き出す。そして事件は起きた。コトの発端は本当に些細なことだったのだが、わたしたちは山の中で喧嘩をした。何気なく放った彼の言葉にわたしがカチンときてしまったのだ。なぜか無性にひっかかってしまった。温厚な彼は、そんなわたしをうまくスルーしようとしている。
わたしも、なにもなかったようにすぐに切り替えられたらよかったのにそうはいかず、なかなかしつこく彼を問い詰めてしまった。
そして切り替えられない自分と、そんな状態になったことでこのきれいな山を楽しめなくなったことに悲しくなり、わたしは山の中でしくしく泣いた。(三十路にもなって情けないよなぁ)
最後は、理不尽を受け止めて謝ってくれた彼のおかげで仲直りすることができ(ごめんよー!)、さぁどんどん進もう!と思ったときには、
もうこの空。
荒川峠を越えて… 八雲ヶ原までたどり着けるのか!?
16時半に荒川峠。本当だったら2時間でたどり着くはずの峠に、3時間半もかかってしまった。ここからテン場の八雲ヶ原までは…まだ2時間はかかるぞ。もう陽が沈みかけている。急げ!!
17:40 金糞峠(かなくそとうげ)に到着。
あたりはすでに真っ暗。11月の山なんて17時にはもう真っ暗だ。そんなことも知らずにわたしたしはどういうつもりだったのだろう。今思うと、知識がなさすぎたし、山の怖さを知らなさすぎた。
明かりはちゃんと準備していた。スマホのライトと準備していたヘッデン×ソーラーライトで山道を照らし、動物や沢の音にビクビクしながら、無言で歩き続けた。こけないように、でも最速で。
すると、突如ひらけた場所にでた。テントが一つ、ポツンと立っていて、その前におじさんハイカーがいた。わたしは勢いよくおじさんに「ここは八雲ヶ原ですか!?」と聞いた。
するとおじさんは優しく「八雲ヶ原まではまだ1時間はかかるよ。ここでテント泊できるよ」と教えてくれた。もうここがどこかもわかっていないわたしたちに、本当だったら呆れてくれてもおかしくないのに。
おじさんがいてくれてよかった!もうどこでもいいから早く安心したかったわたしたちは、ハイタッチをして今日の寝床作りに取り掛かった。
準備していた夜ごはんも失敗に終わる
ご飯の準備だけは前日からバッチリだった。コロンビア人の彼の、郷土料理であるスープを作ろう!と、じゃがいもは切ってジップロックに入れ、チキンは凍らせて持って行った。
ウキウキしながら袋を開けると…黒くグチュっとなったじゃがいもが出てきて2人して驚いた。はぁ。せめて美味しいスープで今日の締めくくりをオーライにしたかったのに。(学び→じゃがいもは切ったらすぐ使え)
チキンだけはまだ耐えてくれてた!チキンを煮込んでなんとかスープができあがった。じゃがいもはごめんやけど、スープは上出来!体もあったまってようやくホッとすることができた。
そしてテントで2人反省会をしながら眠りについたのでした。
2日目は武奈ヶ岳山頂を目指す!ところがまたもハプニング!?さて、無事に家まで帰れるのでしょうか。
今回のルート:行き「志賀駅」→帰り「坊村バス停」
武奈ヶ岳付近にある人気のテン場
- 北比良峠(きたひらとうげ):稜線ルート上にある峠で、琵琶湖が眺められる素晴らしい広場。テント泊にも人気な場所。※風が吹き抜ける日は注意が必要
- 八雲ヶ原湿原(やくもがはらしつげん):標高900mに位置し、豊かな自然が残る湿原。今回わたしが目指したのもココ!武奈ヶ岳では一番人気のテント泊っぽい。
- 金糞峠(かなくそとうげ):八雲ヶ原湿原の1時間ほど手前に位置し、沢沿い&静かな森の中。